【書評】これからの時代は「問いを問う」能力が重要

1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法(著:山口 揚平)の中で、以下のようなことが書かれています。

「解を問う」のが20世紀の教育だったならば、「問いを問う」のが21世紀の教育であろう。だから私たちはもっと旅に出て、外の世界から考えなければいけない。

これには納得できる部分がありました。学校では、先生から教わったことをペーパーテストで問われ、それに正しく回答できる人が「頭が良い人」であるという認識があったと思います。

今でも学校の中ではこのような認識が多く広まっているのは無いでしょうか。

私は学生時代に、友人間の会話で以下のようなセリフを耳にすることがありました。

「アイツは勉強は出来るけど、賢くはない。」

本書の引用箇所と照らし合わせると次のように言い換えられると考えられます。

「アイツは解を求める能力は高いが、問いを考え出す能力は低い。」

本書を読んだときに、学生時代に感じていた「勉強はできるけど賢くはない」という表現が鮮明になった感覚がありました。

 

本書ではガラス張りの高層ビルが例として出されています。

解を問う:なぜ多くの高層ビルはガラス張りなのか?という質問に対する解を導き出せる

問いを問う:なぜ多くの高層ビルはガラス張りなのか?という疑問を思いつける

ちなみにガラス張りの高層ビルが多い理由は、ガラスにすることにより建物全体が軽量化され、コストカットに繋がるからです。

 

問いを問うモデル

問いを問うという表現を目にして真っ先に思いついたのが、匿名掲示板 2ちゃんねるの創設者である、ひろゆきさんです。

ひろゆきさんは自身のチャンネルのYouTubeライブで、

「なんでそんなに知識が豊富なのですか?」という視聴者の質問に対して、

疑問に思ったことはGoogleで調べているからです。」

といった趣旨の回答をしていました。

私の推測ですが、ひろゆきさんはそもそも疑問を感じる頻度が非常に多いのでは?と考えています。

わからないことをすぐにGoogleで調べるという行動力もあるかも知れませんが、

そもそも疑問に感じることがなければ検索するという行動につながらないからです。

これが「問いを問う」能力なのかなと私は考えています。

 

「問いを問う」能力を高める

ではどうしたら「問いを問う」能力を高めることができるのでしょうか。

著者は、思考を鍛えることを挙げています。

思考を鍛える方法は、情報を減らして、思考の割合を増やすことであると述べています。

私の実体験としては、読書の時間に思考の割合を増やす重要さを感じることが多いです。

実用書を読む際に、効率よく知識を吸収したいという欲求から一気に本を読み上げてしまうことがありました。

このような読み方をした本はあとになって何が書いてあったかが思い出せないケースが非常に多かったです。

知識を吸収するという目的が、いつしか効率よく本を読み終えることにすり替わっていました。

そこに気づいてからは、読書中、気になったフレーズが出てきたときに一度本を読むのを止めて、自分の中で思考する時間を設けるようにしています。

そうするようになってからは、本の内容の理解度が増したのと、本以外で得た知識が結びつくようなひらめきや気付きを得ることが多くなりました。

自分の頭で考える時間を設けることで、ただ闇雲に知識を吸収していくよりも多くの知識を得ることができると考えています。

まとめ

  • これからの時代は「問いを問う」能力が求められる
  • 「問いを問う」能力を高めるためには、思考を鍛える必要がある
  • 思考を鍛える方法は、インプットする情報を減らし、思考を増やすことである

 

 

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